プロフィール
[経歴]
京都工芸繊維大学卒業(1953)
九州大学農学博士号取得(1965)
農林省蚕糸試験場入省(1957)
ウェスタンリザーブ大学研究員/フルブライト留学(1966)
ノースウェスタン大学客員教授(1976)
日本野蚕学会会長(1986)
国際野蚕学会会長(1988)
東京農業大学客員教授(1990)
国際野蚕研究センター理事長/中国・大連(1993)
[学会活動]
日本野蚕学会(1986)および国際野蚕学会(1988)を設立し、学会長として2014年
現在までに日本各地で前者を14回、世界各地で後者を7回開催し、国際野蚕シンポ
ジウムを6回、国際野蚕ワークショップを1回開催し、シルクのよさと機能性などを
研究し、それらの開発を進めてきた。
[受賞]
日本蚕糸学賞(1977)
日本農学賞(1986)
読売農学賞(1986)
永井特別賞(1989)
メンデル記念賞(1993)
蚕糸功績賞(2007)など
以上のように昆虫と蚕糸の学術に関わる賞を受賞。
[著書]
『昆虫超微形態学』(1976)東京大学出版会
『昆虫の表面構造』(1976)東京大学出版会
『Insect Ultrastructure 1』(1982)plenum
『Insect Ultrastructure 2』(1984)plenum
『天蚕-Science&Technology-』(1990)サイエンスハウス
『繊維科学フォーカス1 ミクロのシルクロード』(2013)衣笠繊維研究所
以上のほか多数の著書があり、絹糸昆虫とシルクの理解をひろめてきた。
主な研究業績
1.カイコの絹糸腺細胞内に生成されたフィブロイン原繊維およびセリシン原繊維
を電子顕微鏡で発見。(Exptl. Cell Res. 69,1971)。/以下の写真①参照。
2.ショウジョウバエの脳腫瘍細胞内にウイルス様顆粒を発見。
(Science 157,1967)。[フルブライト留学による]。/以下の写真②参照。
3.カイコ血液細胞の超微形態と機能を解明。/以下の写真③参照。
(Int. j. Insect Morph. & Entomorph. 2,1973, ほか)
4.昆虫ホルモン(JH, MH, Anti-JH)をカイコに投与し、幼虫の成長、繭の大きさ、
繊度を自由に制御することに成功 (日本農学賞、読売農学賞を受賞、1986)。
/以下の写真④参照。
5.インドネシアの果樹害虫であるクリキュラ繭の利活用を提唱(1991)、その後イ
ンドネシアに黄金繭シルク地場産業が成長。/以下の写真⑤参照。
6.テンサンおよびサクサン糸の電顕観察により、ヤママユガ科の繭糸が多孔性繭
糸であることを実証(1988)し、その機能性の解明と利活用を進展させた。
/以下の写真⑥参照。
写真①セリシン原繊維のTEM(高分解能透過型電子顕微鏡)写真。
写真②ショウジョウバエの脳ガン細胞内のウイルス様顆粒。
写真③カイコ血液細胞の顆粒細胞(左)と小球細胞(右)。
写真④昆虫ホルモン投与によるカイコ繭の制御。文中のJHは、幼若ホルモン。MH
は、脱皮ホルモン(エクダイソン)。AntiーJHは、抗幼若ホルモンのこと。
1. JH+MH投与、2. JH投与、4.~6. AntiーJH投与。
3. は、5齢幼虫の作る普通の繭。
写真⑤クリキュラ繭(左)と繭シートを利用したハンドバッグ。
写真⑥タサールサンの多孔性の繭糸断面SEM(走査電子顕微鏡)写真。
1986(昭和61)年に野蚕学会を設立し、その後1994(平成6)年に日本野蚕学会と改名した。設立以後現在まで会長として学会を主導してきた。
1988(昭和63)年に、カナダのバンクーバーで開催された国際昆虫学会において、国際野蚕学会を設立し、会長として以下のような活動を推進してきた。
1988年 国際野蚕学会設立(バンクーバー、カナダ)
1988年 第1回国際野蚕シンポジウム開催(バンクーバー、カナダ)
1990年 第1回国際野蚕学会議開催(沈陽、中国)
1992年 第2回国際野蚕シンポジウム開催(北京、中国)
1994年 第2回国際野蚕学会議開催(穂高、長野、日本)
1996年 第3回国際野蚕シンポジウム開催(フローレンス、イタリア)
1997年 第4回国際野蚕シンポジウム開催(台中、台湾、ROC)
1998年 第3回国際野蚕学会議開催(ブバネシュワル、インド)
2000年 第5回国際野蚕シンポジウム開催(イグアス、ブラジル)
2001年 第6回国際野蚕シンポジウム開催(クアラルンプール、マレーシア)
2002年 第4回国際野蚕学会議開催(ジョグジャカルタ、インドネシア)
2004年 第7回国際野蚕シンポジウム開催/ワークショップ(コンケーン、タイ)
2008年 第5回国際野蚕学会議開催(沈陽、中国)
2010年 第6回国際野蚕学会議開催(東京、日本)
2012年 第7回国際野蚕学会議開催(マハサラカム市、タイ)
[主な刊行物]
1988~1992年 Wild Silkmoths '88~'92
1994~2012年 Imt. J. Wild Silkmoths & Silk Vol. 1~17
[主な参加国]
日本、中国、インド、インドネシア、韓国、台湾、ベトナム、ラオス、ケニヤ、
ナミビア、チェコ、アメリカ、ペルー、タイ、イギリス、マレーシア、フランス、
ボツワナ、カンボジア、ネパール、フィリピン、ラオス
[役員および事務局]
会 長 赤井 弘(日本)
副 会 長 J.Y. Du(中国)
〃 GRAJ Nuramalitsari(インドネシア)
〃 X.Y. Wang(中国)
〃 Ishita Roy(インド)
〃 S. Sirimungkalarat(タイ)
事務局長 栗林 茂治 (日本)
副事務局長 木内 信 (日本)
〒305-0851
茨城県つくば市大わし1-2
独立行政法人 農業生物資源研究所
朝岡 潔(庶務)
または
行弘研司(会計)まで
電話 029-838-7410(朝岡)または
029-838-6265(行弘)
1986年 野蚕研究会設立 (農水省蚕試、つくば)
1986年 4月 第1回 野蚕研究討論会 (京工繊大、京都)
1987年 4月 第2回 野蚕研究討論会 (農水省蚕試、つくば)
1988年 4月 第3回 野蚕研究討論会 (名大農、名古屋)
1989年 4月 第4回 野蚕研究会総会 (農工大,府中)
1990年 4月 第5回 野蚕研究会総会 (信大、上田)
1991年 4月 第6回 野蚕研究会総会 (東農大、東京)
1992年 4月 第7回 野蚕研究会総会 (九大農、福岡)
1993年 4月 第8回 野蚕研究会総会 (宇大農、宇都宮)
1993年 9月 日本学術会議の学術研究団体への登録
1994年 4月 第9回 野蚕研究会総会 (北大農、札幌)
1994年 9月 日本野蚕学会と改名
1995年 4月 第1回 日本野蚕学会大会 (東農大、東京)
1996年 4月 第2回 日本野蚕学会大会 (東農大、東京)
1996年 11月 日本野蚕学会 野蚕研究会
10周年記念特別研究会 (赤坂区民センター、東京)
1997年 4月 第3回 日本野蚕学会大会 (東農大、東京)
1998年 3月 第4回 日本野蚕学会大会 (国際基督教大、三鷹)
1999年 4月 第5回 日本野蚕学会大会 (赤坂区民センター、東京)
2000年 6月 第6回 日本野蚕学会大会 (信大繊、上田)
2001年 4月 第7回 日本野蚕学会大会 (東農大、厚木)
2002年 6月 第8回 日本野蚕学会大会 (農工大、府中)
2003年 4月 第9回 日本野蚕学会大会 (京工繊大、京都)
2003年 7月 日本野蚕学会研究会 (四万、群馬)
2004年 6月 第10回 日本野蚕学会大会 (福島農試、福島)
2005年 6月 第11回 日本野蚕学会大会 (神奈川県民ホール、横浜)
2006年 6月 第12回 日本野蚕学会大会 (東農大、東京)
2007年 6月 第13回 日本野蚕学会大会 (農生研、つくば)
2008年 6月 第14回 日本野蚕学会大会 (蚕研、東京)
2009年 6月 第15回 日本野蚕学会大会 (富岡、群馬)
2010年 9月 第16回 日本野蚕学会大会 (東農大、東京)
2011年 9月 第17回 日本野蚕学会大会 (京工繊大、京都)
2012年 9月 第18回 日本野蚕学会大会 (つくばセンタービル、つくば)
2013年 11月 第19回 日本野蚕学会大会 (農工大、小金井)
[主な刊行物]
1988〜1992年 Wild Silkmoths '88〜'92 (国際野蚕学会と共版)
1994〜2012年 Int. J. Wild Silkmoth & Silk 1〜17 (同上)
1986〜2013年 野蚕(会報)1〜72号
天蚕 -Science & Technology- (1990)(赤井・栗林 編)
[事務局]
〒305-0851
茨城県つくば市大わし1-2
独立行政法人 農業生物資源研究所
朝岡 潔(庶務)
または
行弘研司(会計)まで
電話 029-838-7410(朝岡)または
029-838-6265(行弘)