2015年7月23・24日 山形県「絹関連施設」訪問日程
    
     日本最北の絹産地とされる鶴岡の絹産業は、明治維新を迎え廃藩置県後の明治5年、新政府の「生糸立国」という殖産興業政策に応じ、旧庄内藩士約三千人によって松ヶ岡地区の開墾から始まりました。
     明治30年代には、地元の発明家が自動織機を発明したことから、広幅の羽二重や繻子が盛んに生産され、それらは洋装用の生地としても輸出されたため、絹産業は地域の基幹産業となりました。現在は、養蚕から製糸・製織・捺染まで、絹製品生産の一貫した工程が見られる国内唯一の地域として、その特徴を活かした製品づくりが行われています。
     新しくは、鶴岡織物工業協同組合が、長年培われてきた伝統と新たな技術を融合させた製品開発に挑戦し、さらなる可能性を広げる取り組みとして、2007年から、蚕が最初に吐き出す糸=キビソに着目したプロジェクトを進め、マーケティングやテキスタイルデザインの専門家の協力を得て開発した新ブランド「kibiso(きびそ)」を、内外に展開してきました。また2009年、つづれ織工芸家、遠藤虚籟氏とその弟子、和田秋野氏の生涯と思想に感銘した5人のつづれ織職人が、虚籟氏所縁の天澤寺の一角に「虚籟庵」を構え、内外に鶴岡シルク物語を発信しています。
     2010年より鶴岡市は、次世代につなぐ庄内シルクの再興の取組みとした、【鶴岡シルクタウンプロジェクト】を開始しました。プロジェクトの推進は、政策推進課、桑関係は農政課、商品は商工課、松ヶ岡の歴史は羽黒庁舎等、横断的なチームで行い、数多くのシルクの新規事業が振興しています。
    1.市役所のカウンター、小中学校、保育園、幼稚園など合計47施設で、蚕の飼育体験をし
      ます。
    2.「繭人」というサポーターを募り、約20名の参加で春蚕の飼育体験を行います。
    3.松ヶ岡開墾場では鶴岡の絹文化を伝えるために、土蔵を「お蚕さんの蔵」として蚕約
      6000頭を飼育、晩秋蚕は約5000頭を飼育するなど、養蚕の実際を公開しています。
    4.県立鶴岡中央高校3年生の「シルクガールズプロジェクト」は、地域を元気にする活動
      を高校生が発信する目的で、総合学科の被服・食物・保育系列が主体となって「鶴岡に
      はシルクという産業があり、それは非常にすばらしいことで、それを活かした鶴岡中央
      高校生らしい取り組みはできないだろうか」と、それぞれの系列の専門性を活かして企
      画したものです。
      ・1.で作られたマユを糸にして織り上げた「鶴岡シルク」でウエディングドレスの制
       作、綴織を取り入れた新しいファッションの提案などをしています。
    
      ・松岡株式会社の食べるシルク(ゲル状)を使った創作メニュー、地域の伝統食を活か
       したメニューで、「絹の里ランチ」というオリジナルランチメニューなどを作ってい
       ます。
      ・庄内柿やメロン、ラ・フランスのパウダーで、新しいスイーツを考えます。生地の段
       階で、ゲル状のシルクを入れることで、生地のふわふわ感が増します。シルクは卵の
       代わりにもなるので、卵アレルギーの方でも食べられるケーキを作ることができま
       す。
       ランチやスイーツは、市内の結婚式場「エル・サン」調理長、片倉忠直氏の指導によ
       るもので、美味しく高品質です。催事などで市民にも楽しまれています。
      ・鶴岡シルクの絹産業の歴史を子どもたちにわかりやすく伝えるため、歴史をまとめた紙
       芝居や絵本を作っています。
    5.2015.2.19現在、松ヶ岡でブライダル [絹麗] 企画。
      E-up ENAさん & 荘内映画村株式会社 宇生社長さん ほか
      「鶴岡シルク、鶴岡絹文化のシンボルの松ヶ岡開墾場でシルクブライダルを!」とのかけ
      声で始まった企画は、当初から衣装製作についてはシルクガールズに依頼する希望があ
      り、シルクガールズ産みの親、山形県立鶴岡中央高等学校の岡部先生の「シルクガールズ
      も5年が経ち、学校の外でレンタルなどのかたちで使用していただくことを考えていまし
      た」とのご提案でシルクガールズが参加したことから、このブライダルが鶴岡絹文化を守
      り、産業振興へと向かう目的が明確になりました。松ヶ岡開墾場を舞台に、政策課主査
      の高橋さんのご協力などもあってブライダルの立ち上げへと進みはじめているとのこと
      です。
      市の【鶴岡シルクタウンプロジェクト】が、一人歩きを始めた感があります。
    
    以上のような鶴岡市の取り組みは、絹産業の再興のために日本全国で行動できる内容であり、各地域
    が結び合うことで、全国的に新規事業が立ち上がる可能性があります。
    第二次大戦後、「進駐軍では鼻紙(ティッシュペーパー)をぞうきん代わりに使ってすぐ捨てる」という使い捨て文化に驚きましたが、今では日本国民全体が、使い捨てするものばかりを身につけたり使ったり、建物すら期限が来たら壊すという、あまりにも地球を無駄遣いする生活を送るようになりました。
    その中で、「絹は高い」という感覚だけが残り、化学繊維に押しのけられました。
    化学繊維が肌に及ぼすダメージ、その治療費を思えば絹は安価で安心、経済的です。
    インスタントラーメンや粉末ジュース、ポリエステル繊維などが発明されてから約50年、私たちは、自然界に無いものを身につけたり食べたり、身も心も脆弱になり、癌や突然死の頻発が日常化しました。
    新しい価値観を持つ絹産業の創世は、絹の衰退を止め、人類の滅亡を救うキーポイントになる気がします。
     本年は、鶴岡市の取り組みを皆さまにご紹介したいと考えておりましたところ、本月14・15日の桐生市訪問にご参加下さる企業様が、鶴岡も是非同行されたいとおっしゃられ、急遽訪問プランを決めました。
    鶴岡訪問プランニング及び当日のご紹介/鶴岡市企画部政策課様
    
    7月23日
    AM 10:16  21番ホーム発 東京発新潟行き Maxとき315号
       14:20  鶴岡着 地図を見ましたら、鶴岡シルク株式会社様へとうかがう2km
              くらいの道筋に、お伺いしたい場所が2ヵ所ほどございますので、
              撮影したり、お届け物をしたりしたいと思います。
    
              ・山形県立鶴岡中央高等学校を外側から見て写真を撮ります。
              〒997-0017 山形県鶴岡市 大宝寺字日本国410  
    
              ・スパイバーさんに伺う。
              〒997-0052山形県鶴岡市覚岸寺246−2
    
              訪問 鶴岡シルク株式会社 捺染を拝見させて頂きます。
              〒997ー0017 山形県鶴岡市大宝寺日本国223-5.
    
       18:30  夕食 エル・サン様へ 
              〒997-0801 山形県鶴岡市 東原町17-7 0235-24-4633
    
              宿泊
                  
    7月24日
    AM  8:00  致道博物館に行き、鶴岡公園から鶴岡市役所まで歩きます。
    
        9:00  鶴岡市企画部政策課訪問
             ・鶴岡市の取り組みの実際について、資料をお預かりします。
      
             ・松ヶ岡開墾場 カイコ飼育施設などを視察させて頂きます。
              できれば「荘内藩」で、絹入り麦切りや桑の葉そばのお食事をして、
              今回はお茶畑を拝見し、写真を撮りたいと思います。
              映画村でのブライダルの取り組みは、既に行われておられますかどう
              かが、気になることです。
          
             ・お薦めの施設を視察させて頂きます。
          
    PM 14:46  鶴岡発新潟行き いなほ10号新潟行き 
       19:00  東京着  21番ホーム